今日は、3月14日に発売になった山本直治さんの『実は悲惨な公務員』の
ご紹介です。山本さんは文部科学省のキャリア官僚として勤務されていまし
たが、3年前に退職。同時に「役人廃業.com」というサイトを立ち上げ、公
務員からキャリアチェンジする人たちを支援し続けてきました。『公務員、
やめたらどうする』(PHP新書)などの著書もあり、現在は元公務員とし
て精力的な執筆活動を続けられています。
『実は悲惨な公務員』では、就職人気No.1として定着している公務員の
職場が、一般に言われているほど「楽で給料丸儲け」ではないことを、丁寧
な取材を通じて明らかにしています。公務員の報道といえば不祥事やバッシ
ングが定番となっている中で、「安易な公務員批判は国を滅ぼす原因となり
うる」と主張しています。
その上で、「よりよい公務員を”育てる”ために、お役所バッシングを超え
る『新』お役所批判のあり方」を提言しています。
発売後、大きな反響があり、すでに大増刷が決まっています。
私自身、生活保護分野の取材をお受けすることもあります。多くの記者はし
ごく紳士的でよく話も聞いていただけるのですが、「公務員批判の記事は書
きやすく、評判もいい」という側面もあり、思うような形で報道されないこ
ともしばしばです。
それでも、多くの報道機関の方が「今のまま(安易な公務員批判)ではまず
い」と考えてくださるようになり、貧困問題をめぐる報道では、ケースワー
カーなどの現場の大変さを伝えるようなものもみられるようになりました。
山本さんの本でも、「役所関係でもっとも大変な職場」として、生活保護の
ケースワーカーの仕事が紹介され、現場の生々しい事例や、苦労する公務員
の姿が赤裸々に綴られています。
かくいう私も、「元ケースワーカー」として取材を受けており、本の中で紹
介されるケースワーカーの発言やエピソードのいくつかは、私が話した内容
です。『生活保護vsワーキングプア』と読み比べていただくと、ある程度は、
推測できると思います。
山本さんの著書を読んでいると、「公務員の仕事の実態を、もっとたくさん
の人に知ってほしい」という熱意がビンビンと伝わってきます。窓口のクレ
ームに疲れた時、「そうそう、そうなんだよね」と読んでみてはいかがで
しょうか。
また、公務員ではなく、利用者の皆さんも「ああ、窓口の人はこういうこと
を考えながら仕事をしているのね」と実態を垣間見ることができます。
書店に行ったときには、手に取っていただければ幸いです。
山本直治著『実は悲惨な公務員』(光文社新書)
ネットでの注文はこちらから。
築30年超・オンボロ宿舎が約4割
“倒産”の不安、逃げ出す若手
就職人気No.1の「お気楽天国」。その虚像と実像。
あなたは、それでも公務員をめざしますか?
(私は)官と民の両方に籍を置いた人間として、お役所が民間に比べてい
かに恵まれているか、そしてお役所の論理の理不尽さも、いやというほど
感じてきました。
しかし逆に、これまでマスメディアを通して一般国民に伝えられてきたお
役所像には誤解や幻想もあり、それゆえお役所が高い就職人気を誇る一方
で、理不尽なバッシングを受けている側面もあることをひしひしと感じて
きました。(中略)本書をお読みいただいたことで、読者のみなさまに、
叱咤と激励を使い分けた精度の高い「新時代のお役所バッシング」という
ものについて問題意識を持っていただけるようになれば、著者としては望
外の喜びです。(「はじめに」より)
目次
プロローグ――あなたはアンチ公務員? 親方日の丸サポーター?
第1章【給与・福利厚生】お役人の待遇は本当にオイシイのか
第2章【天下り問題】ケシカラン天下りを徹底検証
第3章【勤務実態】「グータラなくせにクビがない税金泥棒」の実像
第4章【コスト感覚】お役所はなぜ税金をムダ遣いするのか?
第5章【無責任体質】リスクや責任をとらない理由
第6章【マスメディア】TVもダメ、新聞もヘン?
第7章【クレーマー】国民からの苦情窓口としてのお役所
エピローグ――お役所バッシングを超えて
あとがき
主要参考文献
著者紹介
山本直治(やまもとなおはる)
1974年長野県生まれ。中央大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科修了。
国家公務員採用I種試験に合格し、文部省(現・文部科学省)に採用される。
内閣官房副長官補室などを経て退職。現在、人材紹介会社のロード・イン
ターナショナル株式会社でシニアコンサルタントとして活躍中。また、日
本初の公務員向け転職支援情報サイト「公務員からの転職支援 役人廃業
.com」を主宰。著書に『公務員、辞めたらどうする?』『人材コンサルタ
ントに騙されるな!』(ともにPHP研究所)。
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